Smiley face
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5月6日、井上尚弥(中央)が東京ドームのリングに入場する際、WBOのベルトを掲げる山口聖矢(左)=西岡臣撮影
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 顔も、雰囲気も、井上尚弥に似ていると言われる。そっくりだと言われるのは声と話し方だ。

 「2人とも声が高くて、昔から一緒にいるからなのか、しゃべり方も似ているみたいで。ジムのトレーナーさんからは『電話口だと、どっちか分からないぞ』って」

 山口聖矢(31)はそう言って笑った。

 いま、「元Jリーガー」で、「井上の幼なじみ」のプロボクサーとして注目されている。「僕は注目されたほうが燃える。ボクサーは一人ひとりが主役。今は個人競技ですから、ありがたいです」

 2人は神奈川県座間市出身。幼稚園の入園式で出会い、自宅も近く、中学まではいつも一緒だった。

 道が分かれたのは高校から。サッカーに打ち込む山口は強豪の山梨学院大付高(現山梨学院高)へ進み、関東学院大を経て、2016年にJリーグ入りをめざすサウルコス福井に入団。翌年には当時J3の相模原に移籍し、2シーズン在籍した。

 身長174センチと大きくはないが、相手FWと体をぶつけ、ゴールを守るセンターバックだった。「戦う、という意味では、ボクシングを始めても違和感はなかったです。(サッカーの)足から(ボクシングの)手にいったんで、体の使い方は難しいですけど」

 25歳でサッカー選手を引退した。その時、J3よりカテゴリーを下げて現役を続ける選択肢はあった。だが、「下に落ちて、そこからまた上をめざすのは現実として難しい」とも感じていた。

 自分の人生だから「誰に相談…

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